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Martin Style C (1919)
- CONDITION:
- EXF
- TOP:
- Spruce
- SIDE BACK:
- Brazilian Rosewood
- FINGER BOARD:
- Ebony
- BRIDGE:
- Ebony
- NUT WIDTH:
- 29mm
- BRACING:
- Original
- PICKGUARD:
- Tortis
- SCALE:
- 333mm
- BINDING:
- ivory
- TUNER:
- Original
- CASE:
- Hard Case
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Martinの1919年製 Style C Mandolin!
このMartinのStyle Cマンドリンは、100年以上前に造られたシンプルで小さな楽器ですが、手にするだけでも分かる質感の高さ、そして細部まで見てもキッチリと仕上げられた造り込みの良さが有り、まだまだ製造本数が多くない時代の職人気質の高さを感じさせる、楽器好きには非常に興味深い逸品です。
マーチンでは19世紀の終盤よりボウルマンドリンの製作をしており、豪華なインレイを施したモデルなどをムック本などで見掛ける事も有るかもしれませんが、20世紀に入ると時代の需要はだんだんとフラットマンドリンに移行しておりましたので、マーチンでも1914年からフラットマンドリンが登場しております。
登場時のモデルとしては、ボディのサイド&バックにマホガニーを用いたStyle Aや、そのバーストカラーのStyle Bが比較的に普及モデルとして多く生産されたのに対し、ローズウッドを用い比較的に生産本数が少ない上級機種がStyle Cとなります。
さらに豪華なStyle Eというモデルも存在しておりましたが、アコースティックギターの45のように、年間数本しか生産されていない、かなりレアなモデルですので、Style Cは実質的に上位機種と呼べる存在かと思います。
このMartinのフラットマンドリンは、マンドリンでは有名なGibsonに比べるとシンプルな造りをしており、ギターのようにフラットなバックに、トップもボウルマンドリンの流れを汲むようにブリッジの後ろで折れ曲がるようにベンドしたトップ形状が特徴で、ボディ内のトップブレーシングも横に2本ハの字に開いたシンプルな構造となっております。
フラットマンドリンとは言え、緩くアーチ構造を採用したギブソンに対し、フラットトップの流れを汲むマーチンだからなのでしょうか、ギター造りの片鱗を垣間見せる、なかなか興味深いボディ構造を採用しております。
細部まで本機を眺めていると、サイド&バックのハカランダ材には製材時のノコ目が微妙に見える箇所もあり、トップのベアクロウが入ったスプルースはきめ細かな木目の良材で、この時代らしい塗装の痩せて木材になじんだ感触などは時代を感じさせる良い雰囲気となり、カラーウッドによる寄木細工のトップパーフリングやサウンドホールのアヴァロン、色味が濃く薄いピックガードなど、同時期のギターに通じる造形で、サウンドホールから中を覗くと、バックブレーシングの入り方やセンターシムの刻印がマーチン好きには堪らない造りとなっており、指板のインレイも上位機種らしくギターの40番代のインレイをコンパクトにしたようなルックスに見惚れてしまいます。
独特なデザインをしたヘッド形状、繊細に、そして緻密に造り込まれた小さくて美しいブリッジ、ペグやテールピースに施された彫金も優美で、特にこの繊細な造形のオリジナルペグは、機能美を感じさせるデザインが素晴らしく、経年でやや動きが硬くなっておりますが、まだ使える状態で、この華奢なペグツマミを回し、古い楽器に気を使いながら弦を交換する作業だけでも至福の時間です。
このシンプルな構造でありながらも、実際に弾いてみると、この小さなボディからは想像できないような大きな生鳴りに驚かされるかと思います。
キラキラして明瞭な響きに芳醇で包み込むような倍音感を持つ余韻、ヴィンテージらしく枯れておりながらも、程良く暖かにボディが鳴る感触をも持ち、この美しい響きは簡単なローコードを軽くシャラーンとストロークするだけでも感じられ、小さくとも「Martinです!」という主張を強く感じさせる逸品です!
製造は1919年製のヴィンテージで、年式相応に塗装の痩せや焼け、ウェザーチェックや細かな打コン、擦り傷や弾き傷などが有り、ボディエンド近くには軽くヘアーラインクラックも有りますが、製造から100年以上経過した個体と考えると状態は良く、付属ケースも古い時期のハードケースが付属しておりますので、古い楽器が好きな方にはお勧めの一本です!
マンドリンを弾けなくとも、ついつい手元に置いておきたくなるような、妖艶な表情を持った逸品ですので、気になる方は是非ご検討ください!