業界一ではないかと言われている高度な木工技術を駆使して造られたクラストンギターは、手にとって弾いてみると誰もが納得する通好みの逸品。
大学時代にギター作りに興味を持ったエドは独学で色々な弦楽器の製作を始めます。その中でも特にギターに魅せられ1972年にテキサス州オースティンに工房を構えて製作活動とリペアをするようになりました。当時、彼のギターはエリック・ジョンソン、スティーブン・スティルス、ジミー・バフェットなどのトッププロからも注目されます。
優れた木工技術を持つエドはギターだけでなく家具や船まで造るようになり 一時ギター製作から離れてメイン州に移りボートや家具の製作家として名声を得るようになります。なんと彼は博物館に展示される歴史的な船舶の模型なども製作しており、ボートやヨットの製作を検索すると彼の名前が今でも見つけられます。そういえば彼のヘッドのシェイプにはどことなく船のイメージが漂っているようです。
一時ギター製作から離れていたエドは1994年、ルシアーが多いカルフォルニア州サンタクルーズに移り再び本格的にギターの製作を始めます。今度はフィンガースタイルプレイヤーを念頭に置いたEMモデルを中心として、年間15本ほどのペースでハイレベルのギターを作るようになり現在に至ります。最近では12フレットジョイントの小さめのマラバーやクラシックギターの製作も始めています。
ちなみにEMとは Ed と奥さんの Margie の頭文字を取ったもの。マラバーという名前は彼が好きなアメリカのヨットの名前にちなんでつけたそうです。
シンプルで上品なデザインのエドのギターは、見た目の派手さは無くても、彼の高度な木工技術が随所に光る通好み品で、オプションの寄木細工のロゼッタなどにも彼の素晴らしい職人技を垣間見ることが出来ます。またブレーシング材にはこだわりを持っていて「トップの材のチョイスも大切だけど、ブレーシングの材もチョイスも重要なんだ。私の音つくりにおいてのブレーシングの材はとても重要なもの。お客がどんな音を求めているか、どんなプレースタイルなのかによって材を使い分けているんだ。上質なジャーマン、シトカ、イタリアン、アディロンダックなどから硬さによって使い分け時にはそれらを混ぜて組み合わせたりもしているんだ。」と語っています。
「私のギターはどんな材で作ったものでもクラストンの音がするんだ。自分の音を大切にして、それが常に出せるように心がけているんだ。」という彼の音は豊かな倍音と圧倒的な音の深み、バランス、粒立ちの揃った美しい響きを兼ね備えていて、数多いルシアーの中でもトップクラスと言えるでしょう。特にハイポジションでも音の厚み、音抜け、サスティーンが素晴らしく、弾いた瞬間の音の派手さは無くても、弾きこむにしたがって彼のギターの凄さが実感できます。
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